PBRが1倍未満の隠れたお宝銘柄を紹介!!
こういうのをテーマにした雑誌の特集を目にする。
アベノミクスが始まって以来、日本の株式市場はさまざまな政策によって企業業績は回復し、その期待から海外投資家のマネーが日本に流れるようになった。
おかげで上場銘柄の多くが高値を更新し、日経平均は26年ぶりに2万3千円を超えた!!
こうなるとこれからまだまだ上がる可能性のあるお宝銘柄を探すのが一苦労・
そこで注目するのが
PBR
これは株価純資産倍率といって
この銘柄が1株当たりの純資産の何倍で取引されているかを見る指標。
計算式でいうと
PBR=株価÷1株当たり純資産(BPS:Book-value Per Share)
このPBRの基準は1倍
つまり1株当たりの純資産と株価が同じで適正に評価・取引されているといえる。
さらにPBRが1倍よりも高い倍率になっているときはだいたいPER(株価収益率)も高くなっている。
業績がマイナスになっている銘柄の場合はEPSがマイナスになるため、PERがマイナスになっている。
しかし、フルッタフルッタのPBR600倍というのはすごい!!
そこで先ほどの言い分で考えたら、PBRが1倍未満の銘柄は
株価=1株当たり純資産(BPS)
になる。
そうなれば、証券会社のスクリーニング機能を使ってPBRが低い会社の銘柄を調べてそこに投資すれば良いじゃないか!!
それをみるとPBRが低い銘柄はたくさんでてくる。
たとえば
3204 トーア紡コーポレーション
毛織物が主体で自動車産業にも製品を出している東証一部上場の老舗企業。
いわゆる名門企業
ここのPBRはなんと
0.43倍
単純に考えたら株価はいずれ倍になる。または会社が倒産した場合、財産分配したら保有した株価以上のお金が分配される。
でもこれが本当なら、多くの銘柄はアベノミクス以降株価がPBRに近づき上回る!
この銘柄の株価は
普通・・・いやむしろ下がっている。
その結果、現在のPBRが0.43倍になっている。
じゃあ、PBRが1倍未満の銘柄でも低迷している会社があるのか?
それはPBRを因数分解するとわかる!!
先ほど言ったように
PBR=株価÷1株当たり純資産(BPS:Book-value Per Share)
でもPBRは違った方法でも計算できる。
それが
PBR(株価純資産倍率)= PER(株価収益率)× ROE(自己資本利益率)
つまり、
PBR(株価純資産倍率)=株価/1株当たり純資産 × 当期純利益/自己資本
ROEは1株当たりで計算する。ちなみに比率で出すから株式総数でも1株当たりでも結局は同じ。
このようにPBRを因数分解すれば
PBRは自己資本がどのように利益としてのパフォーマンスを生んだかという資本効率性をROEで判断する側面とそれが企業がリスクを想定しながら長期的にどのような成長を期待できるかをPERで判断した結果がPBRになる。
だからPBRが1倍未満の会社の場合は
- ROEが低い:足元のパフォーマンスが悪い。それは短期的な視野における事業活動の成果を求めて、長期的な投資(研究開発や人材育成)がおろそかになった可能性がある。
- PERが低い:利益の将来に向けた成長性や安定性、リスク耐性が低いと投資家が判断。
これらのどちらかまたは両方が低い可能性がある。
だからPBRはこの2つの側面で判断する。
PBRの低い銘柄は、
- ROEが低いからなのか?
- PERが低いのか?
そこでROEやPERをみて、
ROEが上昇する可能性があるか?(事業が底入れして業績回復するか?)
また
PERが上昇する可能性はあるか?(中期経営計画の達成可能性や新規事業、M&A)
を検討して判断する。
雑誌の特集で闇雲にPBRが低い銘柄だけを抽出して、
お宝銘柄
として取り上げるようなことはしないだろう(編集者は素人じゃないだろうから)、でもそこは敢えて疑ってかかって、掲載されている銘柄を2つの側面で見て判断すれば、本当のお宝銘柄を見つけることができるかもしれない。